2015年10月8日木曜日

METオープニングナイト観劇ご招待 当選者様現地レポート

2014-15シーズンの10作制覇キャンペーン、「ニューヨークMETオープニングナイトご招待&ホテル宿泊プレゼント」のご当選者様がレポートをお送りくださいました。METの一大イベント、オープニングナイトの様子を、お写真と合わせてご紹介いたします。

1.当日のメトロポリタン歌劇場【MET】の印象
今日はオープニングナイト。正面入口の前は噴水のあるゆったりとした空間が広がっています。着飾って開場を待つ人々が50人位いて、ポスターの前で写真を撮ったり、正面左端に設けられた通路とブースでカメラを構えたりしています。その通路を著名人が進み、ポーズをとりつつ会場へ入っていくのを何回か目にしました。
劇場のガラス張りの2階は、レセプションに出席した人たちでしょうか、華やいだ雰囲気が窺えます。「こんばんは」と声をかけられ、振り返ると見知らぬ男性がお連れ合いの東洋系の美人と並んでいました。その女性は東京出身で、オペラはよく見るのか尋ねられたので、「見始めたところです、このチケットが当たったので来ました」と話すと、「わお!!おめでとう!」と、とてもびっくりしていました。客席に入ると壁側は垂直に何層にも重なった客席で、とても天井が高く、重厚な感じです。そこに下がっている美しいシャンデリアは勢い良くはぜる線香花火を思い起こさせます。オーケストラボックスを見てみたら、意外と狭く感じ、ここで長時間演奏するのかと驚きでした。

2.オープニングナイトでのご鑑賞について

来場者は知り合いが多いようで、あっちこっちで手を振ったり、抱き合ったりしています。ロングドレスやタキシード姿の人たちでロビーはいっぱい。シャンパングラスを手にした人もいて、完全に非日常、ハレの世界。気分が高揚してくるのがわかります。

3.《オテロ》新演出をご覧になったご感想

一言で言うと、シンプルでモダンな舞台です。半透明な、細長い部屋のような直方体(中に階段があるものもあり、実際に上って行くシーンもありました。)の大きな装置が印象的で、これが移動して異なる場を作ります。そして紗幕や背景に映された映像が全体の雰囲気を大きく変えていきます。最初の場面は幕に映された波の映像で、オテロの凱旋です。イアーゴのたくらみの場面では暗雲が渦巻き、いかにも怪しげな雰囲気をかもします。最後のシーンでは、青白いのっぺりした背景に亡きデスデーモナの横たわるベッドがあり、夫に信じてもらえずに殺された彼女の思いと、真実を知ったオテロのぽっかりと穴のあいた心を表しているようでした。死を予感して「私が先に死んだら」とデスデーモナが歌うあたりからが感動的で、筋は知っているのに思わず涙が出てしまいました。

4.「METライブビューイング」ならではの魅力

劇場でみるハレの雰囲気はその場にいてこそですが、何より、演技はもとより、表情までよく見えることです。劇場でオペラグラスを使っての鑑賞だと他の登場人物や全体の動きがわからなくなってしまいます。もちろん、ライブビューイングはカメラの眼でしか見られません。でも、「METライブビューイング」は、そこが上手で、芝居(表情)も全体も違和感なく、あたかも自分が劇場の特等席にいるかのように見せてくれます。そして日本語の字幕付きで見られること。筋を知っていても、やはりどんなセリフ(歌詞)なのか分かった方が楽しめます。更に、絶対劇場では見られないスペシャル映像はとても興味深いです。歌手や裏方の方々へのインタビュー、舞台転換の様子、時には別の演目のリハーサルの様子など、実際の舞台がより深く楽しめます。