2014年12月26日金曜日

ワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》 視聴

第5作 ワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》      ※12/26更新
上映期間:2015年2月7日(土)~2月13日(金)
指揮:ジェイムズ・レヴァイン 演出:オットー・シェンク
出演:ミヒャエル・フォレ (ハンス・ザックス)、ヨハン・ボータ (ヴァルター)、 アネッテ・ダッシュ (エファ)、 ヨハネス・マルティン・クレンツレ(ベックメッサー)、ハンス=ペーター・ケーニヒ (ポークナー)、カレン・カーギル (マグダレーネ)、ポール・アップルビー (ダフィト)、 マシュー・ローズ (夜警)
MET上演日:2014年12月13日  上映時間:5時間34分(休憩2回)




(2014年11月28日リハーサルより)


(2014年11月28日リハーサルより)
 ※リハーサル時のハンス・ザックス役はジェイムズ・モリスですが、イブビューイング収録時は、ミヒャエル・フォレが演じています。

 

2014年12月3日水曜日

超人気作にパワフルで実力ある歌手陣が集結!《カルメン》のみどころ

                               石戸谷結子(音楽ジャーナリスト)


自由奔放で情熱的だけれど、ちょっと気まぐれ。どこかミステリアスな雰囲気もたたえた謎の美女、カルメン。歯切れのいい啖呵も切るけれど、繊細さも持ち合わせ、自分の運命の行く末も見えている頭脳明晰ないい女だ。

ビゼー《カルメン》視聴

第3作 ビゼー《カルメン》                              ※12/3更新
上映期間:12月13日(土)~12月19日(金)
指揮:パブロ・エラス=カサド 演出:リチャード・エア
出演:アニータ・ラチヴェリシュヴィリ(カルメン)、アレクサンドルス・アントネンコ(ドン・ホセ)、イルダール・アブドラザコフ(エスカミーリョ)、アニータ・ハーティッグ(ミカエラ)
MET上演日:2014年11月1日 上映時間:3時間22分(休憩1回)

アニータ・ラチヴェリシュヴィリ(2014年9月26日リハーサルより)


アニータ・ラチヴェリシュヴィリ、アレクサンドルス・アントネンコ(2014年9月26日リハーサルより)

2014年12月1日月曜日

《カルメン》確定上映時間のご案内

12月13日(土)より公開の第3作ビゼー《カルメン》の上映時間が3時間22分(休憩1回 10分含む)に確定いたしました。

詳しいタイムスケジュールはこちらです↓

2014年11月26日水曜日

ロッシーニ《セヴィリャの理髪師》視聴

第4作 ロッシーニ《セヴィリャの理髪師》               ※11/26更新
上映期間:2015年1月24日(土)~1月30日(金)
指揮:ミケーレ・マリオッティ 演出:バートレット・シャー
出演:イザベル・レナード (ロジーナ)、ローレンス・ブラウンリー (アルマヴィーヴァ伯爵)、クリストファー・モルトマン(フィガロ)、マウリツィオ・ムラーロ(バルトロ)
MET上演日:2014年11月22日  上映時間:3時間13分(休憩1回)

イザベル・レナード&ローレンス・ブラウンリー&クリストファー・モルトマン
 (2014年11月14日リハーサルより)


イザベル・レナード (2014年11月14日リハーサルより)



クリストファー・モルトマン (2014年11月14日リハーサルより)



ローレンス・ブラウンリー(2014年11月14日リハーサルより)

2014年11月14日金曜日

新聞広告(中日新聞10/20付け夕刊)掲載情報の訂正とお詫び

中日新聞1020日(月)付け夕刊に掲載されましたMETライブビューイング2014-15の新聞広告におきまして、6作《メリー・ウィドウ》の上映日に誤りがございました。
ここに訂正してお詫び申し上げます。


6作《メリー・ウィドウ》上映日

(誤)3/7(土)~3/13(金)  (正)2/21(土)~2/27(金)

2014年11月6日木曜日

待ちに待った幸せな“結婚”が成就した!《フィガロの結婚》現地評

生き生きと輝きを放つ新演出...心躍る音楽...若々しいキャストたちが、全身全霊をかけて役になりきり、粋に歌い上げる....モーツァルトによる不朽の名作喜劇が新たな感動を生む。
――AP通信


流れるような素早いテンポで描く、遊び心にあふれた舞台...リチャード・エアは巧みに、この喜劇オペラのヤマ場を盛り上げ、観客を大笑いさせてくれる...METで待ちに待った幸せな“結婚”が成就した。
――ウォール・ストリート・ジャーナル

音楽、笑い、そして感動が織りなす、うっとりするほど美しく精巧に作り込まれた舞台。こんなステージこそが、METが輝き続ける原動力だ。
――ニューヨーク・マガジン


4年ぶりにオープニングナイトに登場したジェイムズ・レヴァインは、この幾重にも入り組んだモーツァルトの傑作を、魅力的なキャストと素晴らしいMETオーケストラを率いて、細部までいきいきとした、表情豊かな世界を紡いだ。

――ニューヨーク・タイムズ
                                 (c)Ken Howard/Metropolitan Opera

2014年11月4日火曜日

《フィガロの結婚》確定上映時間のご案内

11月15日(土)より公開の第2作モーツァルト《フィガロの結婚》の上映時間が3時間36分(休憩1回 10分含む)に確定いたしました。


詳しいタイムスケジュールはこちらです↓

2014年11月1日土曜日

至福のモーツァルト!《フィガロの結婚》現地レポート

                             小林伸太郎(音楽ライター/ NY在住

 メトロポリタン・オペラが922日、201415年シーズンをオープンした。9月から10月にはシンフォニーだとかバレエとか、いくつもオープニング・ナイトがあるけれど、やはり何といってもMETのオープニングが一番華やかだ。

2014年10月21日火曜日

《マクベス》確定上映時間のご案内

11月1日(土)より公開の第1作ヴェルディ《マクベス》の上映時間が3時間18分(休憩1回 10分含む)に確定いたしました。

詳しいタイムスケジュールはこちらです↓

2014年10月16日木曜日

ネトレプコから目が離せない!《マクベス》現地レポート

                                 池原麻里子(ジャーナリスト)

 新シーズンで特に楽しみにしていたのが、アンナ・ネトレプコがMETで初めて披露するマクベス夫人。そして、私の期待はまったく裏切られなかった!この《マクベス》は、《マクベス夫人》とタイトルを変えるべきだと思うくらい、ネトレプコから目が離せない。《戦争と平和》でMETデビューして以来、いろいろな役に挑戦してきたけれど、43歳になって声の深みが増した彼女にとって、今まさにピッタリの役だと断言できる。権力に執着する野心家として夫を扇動するそのセクシーな姿。マクベスでなくたって、男性なら誰でも、「彼女のためなら殺人だって厭わない」なんて惑わされてしまうかも知れない。そして、この役を、悪女になりきって見事にこなしている。

2014年10月12日日曜日

近年のMET史上最大の成功!《マクベス》現地メディア評

“ まさにネトレプコの公演と言っても過言ではない夜だった痛烈、且つ、正確なヴェルディ歌唱を披露し、パフォーマンスの全てにおいてカリスマ的な表現力が満ち渡る、最高のスターパワーを持ったソプラノだ。
――ニューヨーク・タイムズ

近年のMET史上最大の成功!アンナ・ネトレプコはどんな解釈でも自分のものにできる天才的なアーティストだ。その芸術的才能にあふれた大胆不敵なパフォーマンスに心を奪われる。
――ブルームバーグ 

まさに華麗なる声の饗宴。ジェリコ・ルチッチは力強い存在感でマクベスを演じた。そして、権力への目をくらませる凄まじい欲動を表現する、背筋が凍り付くようなネトレプコの演唱が、METのマクベスを大成功に導いた。”
――ハフィントン・ポスト

 “ 初めてMETで披露されたアンナ・ネトレプコが歌うマクベス夫人。彼女はその大役に身を投じ、最後までマクベス夫人そのものになりきっていた。
――NYクラシカル・レビュー

“ 指揮のファビオ・ルイージは、ゴージャス且つ洗練された歌唱の見せ場を活かしながら、ヴェルディの秀逸な音楽のドラマを終始一貫して盛り上げた。
――フィナンシャル・タイムズ
(C) Marty Sohl/Metropolitan Opera

2014年10月10日金曜日

「メトロポリタン美術館 古代エジプト展」とコラボ!「METオペラ×ミュージアム券」発売 

10月13日(月・祝)神戸市立博物館(兵庫)にて話題の展覧会、「メトロポリタン美術館 古代エジプト展 女王と女神」が開催されます


ニューヨークが誇る世界最高峰の美術館「メトロポリタン美術館」と世界最高峰のオペラハウス、メトロポリタン・オペラの「METライブビューイング」を同時に楽しめるお得なセット券を発売いたします!

2枚セットで、通常より500円もお得!大学・高校生の方は200円引き、中学・小学生の方は150円引きとご家族のお財布にもやさしいセット券です。

この秋、ニューヨーク発の至高の美術と音楽に酔いしれてみてはいかがでしょうか?

≪アメン・ラー神の歌い手ヘネトタウィの人型内棺とミイラ板≫
Rogers Fund, 1925 (25.3.183a, b; 25.3.184)  
METオペラ × ミュージアム券 
10月11日(土)より発売!
(METライブビューイング2014‐15+メトロポリタン美術館 古代エジプト展 セット券販売) 
【 セット券 価 格 】 
一般 4,600(税込)
大学・高校生 3,400(税込)
中学・小学生 2,950(税込)
 
METライブビューイング 1回鑑賞券
 (通常料金 一般:3,600円 学生:2,500円
 *1回ご鑑賞券1枚につき1名様のみ利用可  *劇場窓口にて本券と座席指定券との引換が必要  
   *2015年5月29日(金)まで有効   *《ニュルンベルクのマイスタージンガー》には使用不可
 *払戻不可  *ご購入当日の使用不可  *満席の場合、入場不可
メトロポリタン美術館展 鑑賞券
 通常料金 一般:1,500円 大学・高校生:1,100円 中学・小学生:600円
  *小学生未満、障害者手帳をお持ちの方は無料  *本券の変更・払戻・再発行不可
  *期間中1枚につき1名様1回限り有効  *再入場不可  *2015年1月12日(月・祝)まで有効

【 販売場所  ローソンチケットにて限定発売
◆ローソンチケット(Lコード: 53165 
  *WEB、ローソン・ミニストップ店頭、Loppi直接購入可
      ※Loppiでの直接購入以外の場合、発券手数料がかかることがございます。

~メトロポリタン美術館展 ご案内~
メトロポリタン美術館 古代エジプト展 女王と女神
世界に名だたるニューヨーク・メトロポリタン美術館が誇るエジプト・コレクションから“女性”をテーマに厳選された約200点を日本初公開!
会 期:10月13日(月・祝)~2015年1月12日(月・祝) 
会 場:神戸市立博物館
料  金 : 一般:1,500円 大学・高校生:1,100円 中学・小学生:600円(普通当日券)
問合せ:078-391-0035   詳細は公式HPをご覧ください。
≪メトロポリタン美術館外観≫
Images © The Metropolitan Museum of Art.









2014年10月2日木曜日

2014-15シーズン全10作制覇キャンペーン実施!(4/3更新)

METライブビューイング2014-15全10作品を観ると、もれなくもらえる&抽選で豪華賞品が当たるキャンペーンを実施いたします。


METライブビューイング2014-15シーズン全10作品をすべてご覧いただくと…

【その1】
全員に METライブビューイング オリジナルチケットホルダーをプレゼント!




METロゴの入ったオリジナルチケットホルダーです。色はシャンパンゴールド。
ここでしか手に入らないスペシャルな非売品です。
チケットはもちろん、カードやパスポートが入るポケットも便利!
10作ご鑑賞いただき、ご応募いただいた方もれなく全員にプレゼントいたします!
※応募方法の詳細は下記をご覧ください。※ 形状に若干の変更がある場合があります。
※お一人様お一つのプレゼントとなります。※鑑賞券等はプレゼントに含まれません。


【その2】
さらに抽選で豪華賞品をプレゼント!
 ニューヨークMETオープニングナイトへ行こう!
 世界中からセレブが集まるプレミアイベントにご招待


 金賞 
MET2015-16シーズンオープニングナイトご招待 1組2名様
2015年9月21日(月)開催MET2015-16シーズンオープニングナイトへの
ご招待券1組2名様分&2泊(9月20日、21日)分のニューヨークのホテル宿泊券
上演演目:ヴェルディ《オテロ》 新演出
※現地までの渡航費や渡航先での移動費等は当選者負担となります。

 銀賞 
ルネ・フレミング直筆サイン入り本国ミニポスター 2名様


応募方法
鑑賞券の半券10演目分を封筒に入れ、〒・住所・氏名・年齢・電話番号を記入の上、下記宛先までご応募ください。
応募〆切 2015615日必着
応募先 〒104-8422東京都中央区築地4-1-1 松竹 演劇開発企画部「MET」係 

応募要項
※全員プレゼントのチケットホルダーは2015年7月以降順次発送いたします。※半券は各演目につき1枚のみ有効。同演目の半券を複数枚使用されて応募された場合は無効となります。※2本立て作品は1演目とみなします。※金賞・銀賞は当選者への連絡・発送をもって当選発表にかえさせていただきます。※金賞のホテル手配は郵船トラベルが行います。ご当選者様の個人情報についてはホテル手配に関わる情報を郵船トラベルに告知し、郵船トラベルより詳細のご連絡をします。当選された本人が参加できない場合は、当選資格を失い、再度抽選を行います。当選の権利を他の方への譲渡あるいは換金、指定以外のホテル・演目への振替、お一人様参加による返金などはできかねます。旅行の参加は、当方指定日までに諸手続きの可能な方で、旅行に支障のない方とさせていただきます。旅行中に疾病、傷害その他の事由により医師の診断又加療を必要とする状態になった場合これに伴う費用は、ご参加者の負担となります。法令または、公序良俗に反する行為をする恐れのある 方、円滑な旅行に支障をきたす恐れのある方は、参加をお断りする場合がございます。※金賞賞品にはご本人様を含む2名様の宿泊代(2泊、2名様1室ご利用)及びMET2015-16シーズンオープニングナイトご招待券2名様分が含まれます。ホテルまでの移動交通費、個人的性質費用(宿泊施設での追加食事代や飲物代、電話代等)、任意の海外旅行傷害保険などは別途お客様負担となります。一度日程を予約した場合、基本的には変更はききません。変更する場合は所定の取消料をご負担いただくかたちとなりますのでご注意ください。2名様1組、但し当選者が高校生以下の場合は保護者の同伴を原則とさせていただきます。賞品の内容は都合により一部変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。

個人情報の取り扱いについてご応募いただいた個人情報は厳重に管理し、機密を保持するとともに、本キャンペーンにのみ使用します。個人情報データは、お客様の同意なしに業務委託先以外の第三者に開示・提供したり、ほかに転用することはいたしません。(法令などにより開示を求められた場合を除く)

http://www.ytk.co.jp/music/kaigai_concert/tour/schedule/3174

ヴェルディ《マクベス》視聴

1作 ヴェルディ《マクベス》                              ※10/2更新
上映期間:11月1日(土)~11月7日(金)
指揮:ファビオ・ルイージ 演出:エイドリアン・ノーブル
出演:アンナ・ネトレプコ(マクベス夫人)、ジェリコ・ルチッチ(マクベス)、ルネ・パーペ(バンクォー)、ジョセフ・カレーヤ(マクダフ)
MET上演日:20141011日 上映時間:3時間13

アンナ・ネトレプコ (2014年9月20日リハーサルより)

モーツァルト《フィガロの結婚》視聴

2作 モーツァルト《フィガロの結婚》 新演出                 10/3更新
上映期間:1115日(土)~1121日(金)
指揮:ジェイムズ・レヴァイン 演出:リチャード・エア
出演:イルダール・アブドラザコフ(フィガロ)、ペーター・マッテイ(伯爵)、マルリース・ペーターセン(スザンナ)、マリーナ・ポプラフスカヤ(伯爵夫人)、イザベル・レナード(ケルビーノ)
MET上演日:20141018日 上映時間:3時間36分

イルダール・アブドラザコフ& マルリース・ペテルセン(2014年9月19日リハーサルより)



イザベル・レナード(2014年9月19日リハーサルより)



マルリース・ペテルセン(2014年9月19日リハーサルより)


メイキング映像 リチャード・エア インタビュー

2014年9月30日火曜日

《ニュルンベルクのマイスタージンガー》キャスト変更のお知らせ

《ニュルンベルクのマイスタージンガー》にてハンス・ザックス役で出演予定だったヨハン・ロイターが本役をレパートリーに含めない決断をし降板いたしました。代わりに、ミヒャエル・フォレ(Michael Volle)が代役を務めます。ご了承ください。

ミヒャエル・フォレ


1960年ドイツ生まれ。ドイツを代表する個性派名バリトン。朗々とした深い声の持ち主で、演技力にも定評がある。バイロイト音楽祭でも活躍し、2013年はザルツブルク音楽祭でハンス・ザックス役を歌い絶賛された。2014年《アラベラ》マンドリカ役でMETデビュー。2018-19シーズンにはMET《指環》サイクルでヴォータンを歌う予定。

2014年9月16日火曜日

シェイクスピア生誕450周年記念METトーク開催リポート

915日《ファルスタッフ》上映前に、シェイクスピアの生誕450年を記念し、音楽評論家の加藤浩子さんと、シェイクスピアに関する著書・翻訳を多数手掛けられている東京大学教授・英文学者の河合祥一郎さんをお招きし、オペラとシェイクスピアをテーマにトークショーを開催いたしました。


                                 (加藤浩子さん)   (河合祥一郎さん)

お話の一部をご紹介いたします。(敬称略)

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■現在国立劇場で公演中のファルスタッフの文楽版、河合さんが脚本を手掛けれた『不破留寿之太夫(ふぁるすのたいふ)』のお話からスタート。

加藤: 先日観させていたただき、とっても面白かったです。太っちょの道化師的な人間「不破留寿之太夫」が主人公なのですが、桜の花の下で女性を口説いたり、居酒屋でたちまわったり。

河合: 最後には、おそらく文楽史上初めての出来事が起こりますので文楽をお好きな方も、まだ観たことがないという方もぜひご覧いただきたいです。オペラ版はシェイクスピアの『ウィンザーの陽気な女房たち』を主に題材にしていますが、文楽では『ヘンリー4世』のエピソードも入れて作っています。


■ヴェルディはなぜシェイクスピアを敬愛したのか

加藤: ヴェルディはシェイクスピア作品としては今回の《ファルスタッフ》と、《オテロ》、来シーズンのライブビューイングのオープニング作品《マクベス》の3作しか作曲していません。数は少ないですが彼はシェイクスピアをとても敬愛していました。彼はいつも「真実を創造したい」と言っていたのですが、真実を創造できるのはシェイクスピアなのだと言っていました。ヴェルディと同時代の作曲家ワーグナーは、神話をベースにオペラを作曲しましたが、ヴェルディは神話を題材にしませんでした。ヴェルディはイタリア人ですが、イタリア人にとって神話はローマ神話、ギリシャ神話ですが、これまでそれらをもとに既に散々オペラが作曲がされてきたわけで、もう取り上げることは出来ない。そんな時に、神話のような普遍性を感じて取り上げたのがシェイクスピアなんだと思います。

ファルスタッフというキャラクターの魅力

加藤: ファルスタッフは人間性が大きいですし、多面性を持ち、ばかばかしいのに頭が良いところもあって人間としてのスケール感が(通常の)オペラの登場人物とは違う気がします。

河合: ファルスタッフは全然完璧な人じゃない。女には手を出すし、ちゃんと働かないで太っているし、たぶん世の中にいたら大丈夫かなと心配されるような人。そんな人がなぜこんなにも魅力的に描かれるのか。そこにはファルスタッフならではの哲学があるからだと思います。「人間はなぜ生きるのか?」という問いに、あくせく苦労して生きるのとは違って、生きているからには楽しまなきゃという大きなスピリットがあるからなんだと思います。

《ファルスタッフ》のフィナーレ「人間はみな道化。人生はみな冗談。」の意味

加藤: シェイクスピア作品のなかで道化は非常に重要な役割を果たしていて、ヴェルディもその影響を受けていると思います。道化が主人公のオペラ《リゴレット》を作曲中、『リア王』をオペラ化しようと台本まで作っていて、シェイクスピアの道化がヴェルディ作品に色濃く投影されていると思います。

河合: シェイクスピアの原作には「人間はみな道化。人生はみな冗談」という台詞自体は出て来ませんが、ヴェルディが80歳を目前に、一番最後に書いたオペラのフィナーレで、すべてをシェイクスピア的に達観していますよね。シェイクスピア作品では常に、人間は必ず死ぬ、人生は儚い夢だと言っています。悲劇では、正義を求めて頑張って生きている人々を描くのですが、喜劇になると、そう頑張って生きるのは若い人に任せ、歳をとっていつ「お召し」が来てもいいように残された人生を充実させたいという生き方に変わるんですね(笑)。ヴェルディは80歳にして、シェイクスピアのこの達観に至ったと思うのです。だから「人間はみな道化、人生はみな冗談」と言い切ってしまえるのだと。これはシェイクスピアの作品の根底を支える重要なスピリットです。

同じくヴェルディ作曲のシェイクスピア原作オペラ《マクベス》について

加藤:《マクベス》は当時すごくユニークで、イタリアではシェイクスピアの翻訳が出たばかりの時にオペラが作られました。そんなに早い時期からヴェルディは注目していたんです。当時のイタリアオペラだと『ロミオとジュリエット』のような作品が多い中、野心家夫妻の話をとりあげたんですから。ヴェルディは変わった人だったんですね。普通じゃない人間を表現することを好んだんです。また彼はマクベス夫人には美声ではなくしゃがれた声で、容姿も美しくない人にやって欲しいという希望があったようです。役柄に関わらず美しい歌手が美しく歌い上げることが普通だった当時のイタリアオペラでは考えられないことでした。

河合: 新シーズンの《マクベス》の演出家エイドリアン・ノーブルはロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで、演出をずっとやってきている人ですから、舞台としても「本物」の一番良いシェイクスピアの演出でオペラを見られると思います。

最後に、オペラ《ファルスタッフ》のみどころは?

加藤: 舞台がすごくよくできていて洒落ています。演出のロバート・カーセンは楽譜をよく理解し、現代風な演出ですが、ちぐはぐなところがありません。色彩がとっても美しく、一つ一つ美しさが計算された舞台だと思います。ファルスタッフ役のバリトン、A・マエストリはファルスタッフをやらせたら現在トップの歌手ですね。

河合:演劇的な観点でいうと、ファルスタッフという、「どうやって生きるべきか」という大きな人間的な哲学を持っているキャラクターが壮大なスケールで画面いっぱいに広がってきます。そこを楽しんでいただきたいですね。

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◎東劇アンコール2014 今後のシェイクスピア原作オペラの上映
《ファルスタッフ》 926日(金)1900~
《ロメオとジュリエット》 920日(土)1100~, 9月21日(日)1500

その他にもまだまだ上映作品はございますので26日(金)の最終日までどうぞお楽しみください。

2014年9月2日火曜日

《フィガロの結婚》キャスト変更のお知らせ

   《フィガロの結婚》にて伯爵夫人役で出演予定だったマリーナ・ポプラフスカヤが健康上の理由で、降板となりました。代わりに、アマンダ・マジェスキーAmanda Majeski が代役を務めます。ご了承ください。

アマンダ・マジェスキー(ソプラノ)
(C) Dario Acosta

新シーズンの後半で《フィガロの結婚》同役を歌う予定だったアマンダ・マジェスキーは、今回の代役でMETデビューをオープニングナイトで飾ることになる。同役をシカゴ・リリック・オペラやグラインドボーン音楽祭などで歌い好評を博し、その他、《ドン・ジョヴァンニ》エルヴィーラ役や《皇帝ティートの慈悲》ヴィッテリア役など、モーツァルトの諸役で高い評価を得ている。今後のさらなる飛躍が期待される注目の若きソプラノ。アメリカ・イリノイ州出身。

2014年8月19日火曜日

《ホフマン物語》キャスト変更のお知らせ

2014-15シーズン第7作《ホフマン物語》にて、当初、アントニア/ステラ/オランピア/ジュリエッタの4役を歌うことになっていたヒブラ・ゲルツマーヴァが、オランピア/ジュリエッタ役を降板し、代りに下記の歌手が代役を務めます。なお、アントニア/ステラ役は、ヒブラ・ゲルツマーヴァが予定どおり務めます。ご了承くださいませ。

オランピア役:エリン・モーリー(Erin Morley) 
 METのヤングアーティスト・プログラム出身。昨シーズンの《ばらの騎士》ゾフィー役や《ジークフリート》小鳥役など、METで活躍中のコロラトゥーラ・ソプラノの新星。

ジュリエッタ役: クリスティン・ライス(Christine Rice) メゾソプラノ
イギリス出身の急上昇中の人気メゾ。コヴェントガーデンで既に同役の他に、《カルメン》題名役や《ドン・カルロ》エボリ公女役を歌い好評を博す。2014年12月に《ヘンゼルとグレーテル》ヘンゼル役でMETデビューを飾る予定。

2014年8月1日金曜日

料金改定のお知らせ

いつもMETライブビューイングをご愛顧いただきまして、厚く御礼申し上げます。

この度、METライブビューイングでは、2014111日(土)公開の2014-15シーズンより、一般料金を3,600円(税込)に、特別鑑賞券3枚セットを9,300円(税込)に料金改定いたします。改定に伴いまして、学生料金 2,500円(税込)を新設いたします。
  
 2014年11月1日(土)以降の改定料金 

◇一般料金 1作品 3,600(税込)改定

◇特別鑑賞券3枚セット 9,300(税込)改定

◇学生料金 1作品 2,500(税込)新設

※2014年8月~9月に行われるアンコール上映の料金に変更はございません。

ロッシーニ《セヴィリャの理髪師》視聴

準備中

チャイコフスキー《イオランタ》視聴 ※8/11更新

チャイコフスキー《イオランタ》 視聴

第8作 チャイコフスキー《イオランタ》/バルトーク《青ひげ公の城》 ※2本立て

上映期間:3月28日(土)~4月3日(金)

指揮:ワレリー・ゲルギエフ(両作共通) 演出:マリウシュ・トレリンスキ(両作共通)
出演:アンナ・ネトレプコ、ピョートル・ベチャワ、アレクセイ・マルコフ、アレクセイ・タノヴィッツキー

MET上演日:2015年2月14日   上映時間:3時間39分(休憩1回)予定


バルトーク《青ひげ公の城》視聴 ※8/11更新

バルトーク《青ひげ公の城》 視聴

第8作 チャイコフスキー《イオランタ》/バルトーク《青ひげ公の城》 ※2本立て

上映期間:3月28日(土)~4月3日(金)

指揮:ワレリー・ゲルギエフ(両作共通) 演出:マリウシュ・トレリンスキ(両作共通)
出演:ナディア・ミカエル、ミハイル・ペトレンコ

MET上演日:2015年2月14日   上映時間:3時間39分(休憩1回)予定


2014年7月2日水曜日

2014-15シーズン 上映作品 変更のお知らせ

2014-15 新シーズンの第4作として上映を予定しておりました、ジョン・アダムズ《クリングホーファーの死》が、ロッシーニ《セヴィリャの理髪師》に変更となりました。ご了承くださいませ。

ロッシーニ《セヴィリャの理髪師》
MET上演日:2014年11月22日
指揮:ミケーレ・マリオッティ
演出:バートレット・シャー
出演:イザベル・レナード (ロジーナ)、ローレンス・ブラウンリー (アルマヴィーヴァ)、クリストファー・モルトマン(フィガロ)

新シーズンの日本での上映日・上映劇場などの詳細は、決定次第、公式HPおよびチラシ等にてお知らせいたします。

2014年7月1日火曜日

2014-15キャンペーン


METライブビューイング2014-15シーズンでは、以下のタイアップキャンペーンを開催中です。随時新しい情報を更新していきます♪

2014-15シーズン全10作制覇キャンペーン
http://met-live.blogspot.jp/2014/08/2014-15campaign.html

【その1】全員に METライブビューイングオリジナルチケットホルダーをプレゼント!

【その2】さらに抽選で豪華賞品をプレゼント!  
ニューヨーク METオープニングナイトへ行こう!
世界中からセレブが集まるプレミアイベントにご招待

現地METツアーのご案内
http://www.ytk.co.jp/music/kaigai_concert/tour/schedule/3174
詳しくは・・・ 郵船トラベル株式会社  音楽・美術ツアーデスク
フリーダイヤル0120-319-105 まで お問い合わせください。

現地METオペラ鑑賞の旅ご案内

2013-14シーズン全演目をWOWOWで放送!