2013年5月24日金曜日

MET音楽監督・ジェイムズ・レヴァインが復活!

METが世界に誇る音楽監督、ジェイムズ・レヴァインが、去る5月19日にニューヨークのカーネギー・ホールでのMETオーケストラ公演で、指揮者として約2年ぶりとなる復帰を堂々と果たしました!

マエストロが電動の車椅子でステージに登場すると、会場は嵐のようなスタンディング・オベーションで満たされ、鳴りやまない拍手は1分以上にも及びました。

当公演の2,804席のチケットは完売。演奏プログラムはレヴァインが得意とするワーグナー、そしてベートーベン、シューベルト。2年ぶりの公演にもかかわらず、METオーケストラとの堅い結びつきは全く失われず、溢れんばかりの烈しくも優美な音楽世界が会場を満たしました。

車椅子の上でもまるで飛び跳ねるように、時にオケに笑いかけたりしながら、ダイナミックに悠々と指揮を披露したレヴァイン。現地各メディアは、まさに大成功の復帰公演になったと絶賛しました。

今秋から上映予定の新シーズン、METライブビューイング2013-14では、ヴェルディ《ファルスタッフ》、モーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》にてレヴァインが指揮します。いまから待ち遠しいですね!

復帰コンサートの模様やレヴァインのインタビューをニュース映像でご覧頂けます↓
http://www.metoperafamily.org/metopera/news/features/news-flash/levinereturn

2013年5月10日金曜日

シーザーとクレオパトラ 運命の出会い


シーザー(カエサル)像
冒険ロマン溢れるオペラ《ジュリアス・シーザー》で描かれるのは、ローマの将軍シーザーとエジプト女王クレオパトラの運命の出会いです。シェイクスピアからハリウッドまで、常にクリエイターたちの創造力を刺激してきた歴史上最も有名な恋愛のひとつ。オペラをさらに楽しむために、その歴史的な背景を簡単にご紹介します。

オペラの舞台となるのは、オリジナルでは、紀元前48年のエジプトの首都・アレキサンドリアです。シーザー(オペラの「チェーザレ」)はローマ内戦でポンペイウス(オペラの「ポンペオ」)を破り、ローマを制圧。エジプトに逃亡したポンペイウスを追って、アレキサンドリアに向かいます。

2013年5月2日木曜日

極上のエンタテインメント!《ジュリアス・シーザー》現地レポート


小林伸太郎(音楽ライター/NY在住)
MET今シーズンの最後のニュー・プロダクションとして上演された《ジュリアス・シーザー》は、ヘンデルのオペラとしては最もポピュラーな作品だ。歴史上実在したパワー・カップル、シーザーとクレオパトラを主役として、愛と欲望、陰謀が渦巻く冒険とロマンの世界となれば、それも当然だ。デイヴィッド・マクヴィカーの演出は、そんなゴージャスなバロック・オペラの世界を、誰もが楽しめる極上のエンタテインメントに仕立て上げてくれた。